

正直言って大物釣りを始めた頃は「すぐに釣れる」と思っていました。
出勤時間が不規則なホテル勤務なので釣りをするには最高な仕事です。
朝、夕の潮 夜中の潮に合わせて最初の2〜3年は、毎日のように磯に通いました。
当時は、磯ハンターやシーハンターといった道糸を使う人は少なく、
ハリスも「ワイヤーのスリーブ止め」「ナイロンの100号」とシンプルな仕掛けでした。
エサは、ボラの泳がせが支流だったので投網も練習しました。
しかし、なかなか釣れる魚ではありません。
「アタリがないのが当たり前」といった毎日が続くといいかげんイヤになります。
それどころか外道のバラフエダイのアタリをとった時、リールは巻けない
竿は起せないし、頭の中はパニック状態・・・「これじゃあ駄目だ!」と思った。
それからの2〜3年は今までの釣行が嘘のように週1回、月1回と少なくなっていった。
地元の大物釣り師の先輩と知り合ったのがきっかけでまた少しずつ釣行が増えだした。
何回か先輩と伊良部島に遠征するようになって、また大物釣りの魅力にハマリだした。
しかしそれでも釣れない、仲間達はどんどん釣果を上げていく。
普段あまり人の事は気にしないタイプだが、さすがにプレッシャーがかかり始めてきた。
それからしばらくたった夏、今年初めて台風が宮古島をかすめて北上して行く!
台風は一般に招かざる客だが私にとっては願ってもないチャンス到来である。
もちろん台風当日は海には行けないが、余波が残る2,3日後が絶好のチャンスだ。
各地で一気に大型のタマン、中型のガーラが釣れだした。
まず来間島からの情報で2キロから4キロのタマンが入れ食いだと言う情報を聞いた。
10キロ級は仕留めた事はあるが、なかなか大物に出会えるチャンスがなかった。
北東の風強く磯にのる事は出来ない、こんな日は防波堤が安全で一番いい
平良市真謝漁港についたが、もちろん風が強く釣り人は一人もいない。
海を見ると大荒れで今日こそ釣れそうな雰囲気がする、竿をセットして第一投目
餌は約1キロの鰹、釣り針はクエの50号、ラインは磯ハンター80号と万全の仕掛けでキャスト、
夕暮れ時の1時間が勝負だ竿先を見つめて待つこと1時間、
竿先が軽く揺れ道糸がスルスルと出て行くのが見えた。
道糸を送りながらスプールを押さえリールをロックした瞬間ずっしりと竿にのってきた。
魚は荒海を右に左にと暴れ回る。
人一倍外道の経験が多い俺は、今までと違うのがすぐにわかった。
俺は自分に『落ち着け、落ち着け』と言い聞かせながら慎重にやり取りをする。
10分ほどで寄せたが魚の姿が確認できない。
おかしいと思いすぐさまラインをつかまえテトラポットの下まで駆け下りた。
魚は根に潜り込んだ様だ、ヘットランプでラインの行方を追うようにして海面を照らした。
その時波が返していくなりテトラから魚の顔が出てきた。
あわてて戻ってギャフを手に駆け下り一発でギャフを打ちこんだ。
引き上げに約10分かけ、ようやく防波堤の内側まで運んできた。
釣り上げた魚を目の前にして今までの苦労が一瞬にして吹っ飛んだ。
1本上げると気持ちが楽になるのか、次の年もゲットしました。
しかしほんとの戦いはこれからです。
自己記録を更新するように頑張る事と
もう一匹の巨魚アーラミーバイを釣り上げるまでは、
気の遠くなるような釣行になる事でしょう。
これからも妥協せずに巨魚を追い続けたいと思います。
jun